works*

2005-2006年,2011年‐現在に至るブログ。

大学図書館ではたらいた7年

※過去の下書きを整理推敲しています。
古くなっていない内容だと思います。


2013.6.8

私は仕事で論文複写することが多いのです。
そんなとき、知らない言葉が目に入ると少し調べてみます。

「レジリエンス」resilience
これは「精神的回復力」という意味です。
災害や別れなどに遭遇したときに、レジリエンスのある人が幸福感を維持できるという。

以下のレジリエンス因子は幼少期の生育環境で形成されることが多い
子どもたちに愛情を注ぐのはとても大切です。

・自尊感情
・安定した愛着(情緒的結びつき)
・ユーモアのセンス
・楽観主義
・支持的な人がそばにいてくれる

レジリエンスの低い高齢者は人との関わりを豊かにする支援が有用であるそうです。
シニアはどんどん外出し、デイケアを利用したり、するといいようです。


司書課程には「絵本についてその特徴と分類配架について」考えるレポートがあります。
ここでは実際の図書館での仕事での経験も踏まえてまとめます。

まず、配架は
探しやすいこと、わくわくすること、
対象が子どもの場合(公共図書館はおしなべてそうですが)
出来たら表紙を見せる絵本専用の書架が理想です。
今は子ども目線の書架も出そろっていますね。
新刊や季節の本などを取り上げて展示することも
絵本への興味関心を促すでしょう。

また小型本や大型本でわけると扱いやすいです。
書庫に無駄なスペースを生まないために、
小型本が埋もれてしまわないためにも
サイズによってわけるのは必須です。
大型本のなかには読み聞かせ用のとても大きなサイズがあります。

小型本と大型本は別にスペースを作る場合
検索はサイズ表記と場所がわかりやすい表示にできるといいですね。

配架順ですが
(1)作家名順
デメリットとして名前で探す幼児は少ないことが挙げられます。
(2)書名順
書名の頭文字をあいうえお順で配架する方式です。
検索結果から探すときに便利ですが幼児向きではないですね。
本が多くなると探しにくいです。

実際に私が在籍した大学図書館は幼児教育専攻のため
1000以上のタイトルを持っていました。
書名順はシリーズものの時にどうするか?など
ルールがなかなか一定しない、または一定させることが難しく
一応は検索結果のタイトル順としていました。

(3)内容別
おすすめで理想的です。
  (3)−1 外国と日本
  (3)−2 ジャンル (創作 民話 かがくえほん など)
          おなじ内容がならびさがしやすい。
  (3)−3 子どもがさがしやすい内容をもとにする


(4)出版社別
これはある大手書店で採用されていました。
シリーズものがきれいにならびます。
また出版社の特徴が出てきますね。
大学図書館など絵本を学術的にとらえている場合での採用はおすすめです。
出版社別にわけ、さらにタイトル順で並べるとさがしやすいと思います。

「探している絵本がみつからない」これは非常に多い質問でした。

最後に洋書の絵本について
洋書をタイトル順で並べる場合、「冠詞を省いて並べる」を基本にしていましたが
配架スタッフが多いとなかなか統一できず
書庫の乱れが発生しやすいです。



絵本と7年間過ごしてきました。

絵本を通して
文字の世界にふれて
想像力のたくましい子に育ってほしい

子どもが小さなころは
マンションの読書会で本の読み聞かせをしていました。

ドキドキ、わくわくを大切に

好きな絵本はたくさんありすぎて選べません。
たとえば
日本の昔話
かさじぞう
かさじぞう
瀬田 貞二
福音館書店
1966-11-01


私はこの瀬田さんのかさじそうの音がとても好きなのです。

外国の絵本から(対象年齢 年長)
みずうみにきえた村
みずうみにきえた村
ジェーン ヨーレン
ほるぷ出版
1996-10-25



イエペはぼうしがだいすき
イエペはぼうしがだいすき (日本の創作絵本)
文化出版局編集部
文化出版局
1978-12-17



などです。


安全な職場ランキング1位

図書館

それは何かでみたランキングだった。

実際はどうか?
「しんどい〜」と思うこと多々ありました。



私の在職中7年でも10人の方が辞めていった。
急に来なくなった人
重病になった人
夜出勤の翌日に朝出勤プラス通勤に不便なため など

とにかく
体を壊して辞める人が多かった。

離職率が高いのは契約や派遣やアルバイトが多いからだと思うが
正職員も例外ではなかった。
正社員は産休もとれるし収入もあるので定年まで頑張る人が多いだろう、と思っていたがそうでもなかった。
OPAC(図書館情報システム)が導入したときには
床に倒れてしまう人が出たというほど
社員も責任が押しかかり苦労が絶えないようだ。

非正規雇用はどこでもいっしょだという気持ちから
安易に転職をしてしまう。
少しでもマッチングする条件であれば転職をする

そのため非正規が多数の職場は
常に新人を抱えていることが常態・・・。

どうしても新人さんに視線が集まる。

今度の人はどんな感じ?
続くのかしら?
という不安の目。
どちらかというと荒さがしが・・・
針の筵
その視線が新人さんを苦しめています。

「席を外すと悪口を言われそうでトイレを我慢してしまう・・・」など心理的なストレスもかかります。
実際には、B型をけなすためB型の人が続かないということもありました。



人間関係がうまく回るというのは
奇跡に近いと思ってしまうほど
いちばん難しいと思ったのが大学図書館でした


「購読している雑誌から
コレクション方針に応じて製本する」

これが雑誌の製本作業です

これは毎年2月ごろに行う仕事でした。

雑誌 (逐次刊行物)は月刊 隔月刊 季刊などがあります。
定義はこのようになっています
●同一標題のもとで継続して分冊刊行
●終期を定めずに刊行
●巻号・通巻番号などの刊行順序を示す表示あり

通常鳥の巣に収められています。
1年に一度、鳥の巣からカートに乗せ
そして1月2月・・・・12月巻号順に並べます。

たとえば岩波の「世界」を古い順から巻と号の連続を確かめる。
たまに抜けがあるので
貸出中なら督促をかけます。
紛失なら調達するか欠号としてそのまま製本します。
欠号として出すのは仕事として完璧ではないので残念です。

公共図書館ではあまり行われない作業だと思います。
大学図書館では雑誌は重要な資料として位置づけられており
論文が収められているものなどコレクション対象を残していきます。

一冊の本にするために
だいたい4センチくらいの厚さになるように紐でくくります。
それをエクセルで票にします。

私の場合
外国の雑誌も含めると
200〜300タイトルあったと思います。
外国雑誌の巻号の数え方などは注意が必要な作業になります。

それを製本会社に依頼し
出来たものを本として受け入れします。

場所は集密書架に並べ省スペース化しますが
やはり限界があります。

通常ISSNはあまり気に留めることはないのですが
製本作業では出版会社が変更したり
雑誌名が少し変わったりするときに確認します。
’ISSNは個々の逐次刊行物と1対1で結びつく固有の番号で、世界規模で使用されています。’(国立国会図書館 http://ndl.go.jp/jp/aboutus/issn/index.html






「で、何を読んだの?」という栞が同僚のデスクに置かれていた。

笑えた。


その図書館では毎月200冊を超える新刊が入る
雑誌も含めるともっと多い。
そして図書館が誕生してから、
蔵書は23万を超える。

教育や心理学の学術系を中心に
話題の小説やエッセイ
岩波や中公新書など一般啓蒙
実に多岐にわたる



「で、何を読んだの?」という文章は鋭くて心に刺さったのだ。

本に埋もれた毎日
他の館員はいったい何を読んでいるのだろう・・・


私はというと
新刊の装備のときに
タイトル 副題 著者 奥付 を見る。


気になる新刊はメモをする
あとから読もうと思っている。

でもしかし
ひと月に数冊読めるかどうか

読める本はほんのごくわずか

だから

私はこれを選び
あなたはこれを選ばない


それが不思議に思えてくる。

そして本との出会いを
ブックトークやビブリオバトルで聞くと楽しい



なんでその本を選んだの?
その言葉は
いつまでも
忘れることがない。




追記
館員としてやっていたこと

目次とぱらぱら読み、前書きとあとがきを読んでおく。
新着本できればすべての。











大学図書館の図書カウンター業務で
学生から漠然とした質問を受けて戸惑ったことがあります。


「すみません、共生に関する本はどこにありますか?」
レポートで出たお題なのだと思います。

「共生? 共に生きるの共生ですね??えー・・・それはですね。」

「共生」では範囲が広すぎて書庫を選べない・・・
すぐに頭が回らない・・・





「共生で検索をかけてみましょう」と
一緒にOPAC(蔵書検索)をかけると200冊程ヒットする。

検索結果をザーッと目を通して、
気になった本の場所に行くのもいいですよ〜とお伝えする。

開架書庫は手に取って眺められる書架のことですが
気になる本とその周辺を眺めてみるのもテですね。
同じ分野で別の著者の本が並んでいますし。


自分で考える機会を失わせてはいけないし
調べる力をつけさせなければならない・・・とくに学生さんは



キーワードは「共生」のみ、あとは
分類で絞り込むことも良いですね。

詳細検索を使います。

たとえば 動植物や自然との共生なら 
自然科学・医学の4で絞る
すると、
「ニホンカモシカのたどった道 : 野生動物との共生を探る 」
といった本などが検索結果で出てくる

また、社会科学で絞り込めば
「はじめて学ぶ異文化コミュニケーション : 多文化共生と平和構築に向けて」など
多文化共生などが多く出てくる…というふうに。

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当時に書いたメモです。
「ひまわり」という手法を用いて整理するもので、頭を整理できるのでとてもオススメです。司書さんはこれを即座に頭で描けるといいですね。



レファレンスで質問を受けるときに力量を試されますね。
ドキドキしてしまいます。

経験が長く、意識が高ければよりよい提案ができていくのだと思います。


しかし今のご時世
すぐに検索ワードを並べて絞り込んで答えを早く見つけようとしてしまいます。ですがもっとゆっくり、じっくりと調べることも大切ですよね・・・
アナログも大切。



わたしたちの提案は学生さんにさまざまな本、視点に遭遇するチャンスを与えます。
また、その機会を削いでしまうことにもなりかねません。

カウンターをあとにする背中を見て、これでよかったのか?考えます。



わたしたちは答えを探すのが仕事ではありません。

答えを探す手順を提案することが仕事なので参考書・レファレンスコーナーをもっと使いこなせて伝えないとならないです。

話す際にも気を使わないとならないと思っていましたが、いざ現場に立つと
なかなか思うようにはいかないものです。




自分自身が普段から
類義語を引いたり
シソーラスを見たり
辞書事典に慣れ親しむ
そういった心がけが求められるでしょうね・・・

もう今は図書館を退いたので
そういったことが出来なくて残念ですが
司書さんにはがんばってほしいです。






図書館で働いた7年の年月は財産です。

本の歴史は人類の歴史です。
言葉が社会に与える影響は思った以上です。

日本が戦争に負けた時
日本の図書館は思想善導が行われる場でした。
選ばれた良書がある閉架図書でした。
同じころアメリカの図書館は開かれ情報について自由でした。

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戦後日本はGHQによる教育民主化政策により、アメリカ式のオープンで無料の図書館が生まれました。


近年
ITの到来により省人化が進んでいます。
インターネットで図書館同士がつながり
人と図書館がつながり大変便利になりました。

最近では自動貸し出し機が増えています。
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図書館は非正規労働が増えていますが
私は図書館はキャリアが必要だと思うひとりです。

なにごともそうですが
合理性を追求するとき失うものがあると思います。


私が勤めていた大学図書館も30代〜40代の正社員がいない状態でした。
責任をもてる人がいないため、さまざまな継承が出来ていないようでした。

さらにいうとレファレンスを充実させる
=学術を盛り上げる、学術をより確かなものにする

その研究の手助けになる
根幹であるべきレファレンスが
やせ細っていくようでした。

アメリカでは専門分野の図書館員が高度なレファレンス対応をしていることが多いと言われています。
彼らをサブジェクトライブラリアンといいます。
教育なら教育専門の司書
児童文学には児童文学の司書
という具合に、専門知識の人がいるのです。

特に大学図書館はサブジェクトライブラリアンが必要だと思います。
難しいことをして成るのではなく、長年、その大学図書館に勤めていれば
おのずと大学の研究対象の図書のプロになっていくのです。
自然にサブジェクトライブラリアンに近づいていきます。

卒論で相談に行くと
研究がうまくいく!

そういったことが大学図書館なのではないでしょうか・・・

私は図書館に必要なことはキャリアだと思います。




当時、私たち館員が協力してやった仕事のひとつに閉架書庫の整理整頓があります。
マスク、手袋、汚れてもいい服装にエプロン姿です。
たんたんと行う作業ですが時々笑いころげることも・・・。
昔の本の装丁やタイトル、笑えることもたびたび。

その大学図書館はどこでもそうであるように開架書庫と閉架書庫がありました。

閉架書庫には通常あまり使われない書籍がおいてあります。
縮刷新聞など明治時代から戦時中のものなど非常に貴重な資料も並んでいました。
足元には段ボール箱に積み上げられた退任教授からの寄贈図書。
何年も風を通すことなく、段ボールの端はよれてぐにゃりとしており
開けるのもためらわれた。そんな段ボールが無造作にたくさん置かれていました。

閉架に入ると黴臭さと本の香りが充満し
絞めっ切ったカーテンやブラインドからは
ところどころ日が差していた。

足の踏み場もないほど本が雑然と置かれていたものの
各大学から送られてくる紀要の書棚は年代別に整然と並べられていました。

行き場のない雑誌の大半は予算と利用頻度の関係で製本を打ち切ったもので、それらがどんどん増えていくのです。


基本「ごくまれに」借りにくる利用者のための準備の場が閉架です。

書棚の整理は夏休みや春休みにまとめてしました。
スタッフが協力すればはかどる。
段ボールを開けてカートに乗せて
上の判断をまつ。保存か除籍か。

判断は経験と理解が必要でとても難しいものです。
本の大切さを考えると全部残しておきたくなるのです。

必要・不必要を超えた重み、
ある人物の判断だけでは決して決められない「資料」としての重み
「こんな言論があった。」
それはどんなに小さな発言でも
情報を扱う者にとっては大切で残しておきたいものなのです。

珍本や大学関係や地元情報は優先的に残しておきます。
また資産として計上した本の廃棄は簡単ではありません。

書庫管理というのは1から10まで整理。

利用者が探している本が良い状態で見つかることなのです。
それが本の番人なのですね。

いざ除籍となった法律系の雑誌を一枚一枚めくってみると
資料としてやはり重要と思えてきます。
法学部ではなくても論文を書く際に重要な情報が多い
しかし、学生はこのような情報をいかに拾い上げていけるか
参考資料の使い方を授業で伝えられるか?
文献情報検索講座、また日々のちょっとした時に
図書館として資料を丁寧に案内できているか?と
とても考えさせられたのを思い出します。


私が任されていた仕事「新着図書の装備」のお話しです。


装備とは購入した本に登録番号を付けたり
小口印と呼ばれる図書館の名前の入った印を入れたり、と
正式に図書館に迎える(受け入れる)ための作業のことです。

登録番号は1冊に1つです。
帳簿を照合しながら慎重にナンバリングスタンプで押していきます。

登録番号以外に1冊1つの番号があります。資料ID(バーコード)です。
通常、資料IDが主で動くので、登録番号はいらないのではないか?と思うこともありましたが
最新の蔵書数がわかるのが登録番号です。
蔵書番号を見れば、どれだけの古株か?なんてこともわかります。
歴史を刻んでいる感覚すらします。
資料IDはシールなので剥がれたりしてしまうこともありましたが、そんな時に登録番号があると便利でした。
図書館員として大切な情報のひとつでした。

ナンバリングはぞろ目やぴったり・・・冊目というときには思わず喜んでしまいます。


本の実物と帳簿を照合しながらする作業です
新着本を触る楽しさというのはまた続きを書きたいと思います。


*************************

新着図書が並ぶまで

選書

図書館はコレクション方針があります。
大学の場合は学部学科に沿った専門図書がメインになります。
学部学科に図書費が予算があり会議等が開かれて図書事務係にオーダーが入り、それを発注をします。

学生からの購入希望も受け付けます。
購入希望には理由を書き添えてもらいます
「卒論のため」、「興味があるから」 などの理由が多いですね。

図書館スタッフの選書もありました。
新着図書の冊子をまわして付せんを付けていきます。

また毎月決まった本が定期的に入ってきます。
新聞の縮刷版、新書の新刊、例えば岩波新書や中公新書の新刊などです。

図書(蔵書)管理システムに登録する
今はダウンロードができるようになりました。
本の情報を入力し自分の図書館にあった目録を作っていく作業です。

昔作っていた手作り感満載の目録をみると暖かい気持ちになりました。
各図書館が作っていた目録はお互いに持ち合っていたのですが今はネットで見るので使われなくなりました。
またスペースの問題で除籍対象でもあります。
寂しいものです。





つづきはまた

幸運にも大学図書館のアルバイトとして採用された私。
古くからの友人には「適職だ」と言われました。
当時司書を持っていなかった私が採用されたのは急募だったこと、業務が極めて簡単だったことの2点だと思います。

契約は年度末までなので最初は半年、
それから1年ごとの更新で約7年間お世話になりました。

そこは古い図書館でした。
分業が発達して役割分担がある程度決まっていました。

本を買う人
スケジュールを立てる人(広報など)
事務をする人(お金の管理)
本を整理する人(入った本のデータ入力)
カウンターで接する人
貸出返却をする人・配架する人→任されたメインの仕事
コピーの依頼や受付をする人(相互利用制度)
掃除の人

掃除について

掃除の人は外注で決まった時間に決まった場所を掃除します。
ハタキもかけてくれていますが
書庫であまり借り手のない本の
天には埃やカビがたまっていくのです。


おのおの気付いたところを掃除をすることは
大切な業務だと思っていました。
しかし古く広い建物はどこから始めたらいいのか
途方にくれることもありました。

カウンターに配属されて働き始めてすぐの夏休みのこと
「カウンター業務は夏休みは少ないので・・・」と
事務長に階上の集密書架の本の移動を命じられました。

この集密書架に収められている学術洋書は
ほぼ借り手がないものです。
高級な革製や布製で包まれた年季ものが多く
アンティーク・インテリアの一部として最適でした。
しかし本の多くは白いカビが付着し
埃でまっくろになっていました。
   
空気を入れるためにも
ぱらぱらと一冊一冊状態を確認し
書籍専用のウェットシートで
天と地と小口を拭いていきました。
「さっぱりした〜」という本の声に耳を傾けながら
何千何万もの洋書をカートに積み込み移動させます

これを夏季休業中に毎日4時間前後やると
少し気が滅入ってきました。
こんなことやっていていいのだろうか・・・と。
カビによるためか咳が止まらなくなり病院に行ったりもしました。
でも本の「さっぱりした〜」という声を聞きたくて
整理整頓をひたすらやり遂げました。

図書館関係者はよく言うのです。
図書館は肉体労働だと。
これは一般の人にはあまり知られていない現実です。

***

また集密書架は風が抜けにくいので
定期的に巡回して風を通したりしたほうがいいですね。

温度湿度管理が大切な図書館
増え続ける本をどのように美しく保存するか?
それは設計時にずっと先まで考えることが必要です。

湿気がたまりやすく、雨の日は雨漏りも心配されるような場所では
本の劣化は進んでいくばかりです。

本を保つというのは大変な作業でお金もかかります。




本を紹介し
観客が読みたいと思った本に投票する
ビブリオバトルに観客として参加しました。

「場」があるというのは
記憶に残ります。

観客の拍手や反応、タイムキーパーをする司会者の声、
少し緊張しながら話す挑戦者
どっしりとかまえた挑戦者・・・

ライブ感、
一期一会
共時性
刺激を受けたり共鳴することで
より強く印象に残ります。

ふだん
手に取らない本も
どのように感じ取れるのかがわかり
一瞬でさまざまな情報を得る事ができます。



書評や広告から得られる情報とは違った
いきいきとした情報を得ることができました。

次が楽しみです。

耳から入るって大切ですね

大人も子どもも


本のお問い合わせで「ビブリオセラピー」について探しました。

蔵書検索をかけ読書療法ならいくつかヒットします。

アメリカではとてもたくさんの論文がヒットします。
アメリカは心理学分野の先進国であり、また図書や情報についても先進国です。


さてセラピーや療法に関して非常にたくさんの情報があります。
たとえば、
森林療法
アロマセラピー
音楽療法
あげればきりがありません。

だけど、結局それは傷んだ心を修復する個人的な技であり
傷みを産んだ社会の修繕ではないと思います。

傷みを和らげるような社会、つまり理想を追求する努力は必要で
社会科学、法律や政治で変えていくことが
個人の病も根本から治すことにつながるのではと思いました。

先日、公共図書館を通して
国会図書館に文献コピーを依頼しました。

国会図書館に個人利用の登録をすると、
自宅の端末からコピーの依頼ができるので利用登録をしてみました。

流れ
返信封筒(切手は不要)
申込用紙
身分証明書
を送付するだけ

数日後、ログインパスワードが届きました

コピーの依頼&調べものが楽しみです
画像1


アメリカ学校図書館協会は2007年に
「21世紀の学習者の基準Standards for the 21st-Century Learner 」を出している。

これは司書教諭が子どもたちと接するときのポイントとなっている。


アメリカの学校図書館は
情報の拠点として時代の変化とともに役割を増加させ
利用者は増加、人も予算もしっかりしている。

その結果、国内にあらゆる問題をかかえながらも
その問題に立ち向かうアメリカ市民社会が見られる。

比べて日本の学校図書館は遅れている。

教育の役割とはなにか?
アメリカ学校図書館協会が提示する
目指す国民像はしっかりとしている。

それは以下の4つにまとめられる。


基準1
情報を求め、批判的に考えて、知識を獲得する。

Inquire, think critically, and gain
knowledge.



基準2
結論を描き、情報に基づく決定を行う。
変化対応力をつける(新しい場面に知識を適用し、新しい知恵を生み出す)

Draw conclusions,
make informed
decisions, apply
knowledge to new
situations, and create
new knowledge.



基準3
知識を分かち合い、市民が主体となって、倫理的生産的に社会に参加する。

Share knowledge
and participate
ethically and
productively as
members of our
democratic society.


基準4
自己実現する
Pursue personal
and aesthetic
growth


社会参加と自己実現は関係がある。


AASL http://www.ala.org/

http://www.ala.org/aasl/sites/ala.org.aasl/files/content/guidelinesandstandards/learningstandards/AASL_LearningStandards.pdf

近くの図書館で論文の複写依頼をしてみました。


論文タイトル、著者、収録雑誌名などがわかると調べてくれます。
最寄りの図書館が国立国会図書館でコピーを依頼してくれます。
振込後に受け取りできます。
1週間くらいかかりますが便利です。
A4サイズ1枚あたり24円でした。
楽しかったですよ〜
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松江市で「はだしのゲン」が閉架になったニュース
記憶に新しいかと思います。

この「開架」と「閉架」の違い
知らない方も多いと思います。


時をさかのぼる事、明治維新
欧米視察で図書館を目にした先人が
市民に開かれた図書館を目指して
上申した結果、図書館令が施行。
全国に図書館が設置されはじめました。

しかし
明治政府はやがて図書の選択に干渉します

基本は「閉架」。

館内でパラパラと眺める自由はなく
政府が「良い」と決めた書物のみ
目に触れるように統制を図ります。


そんな中、明治40年
山口県立図書館は佐野友三郎の改革で

開架を導入。

館内での自由な閲覧、
館外無料貸出を許可するなど
情報の先端をゆくアメリカの図書館をならって
さまざまな改革に取り組みます。

しかし、やがて4年後また閉架とされてしまいます。

情報の自由なやりとりは
常に前進したり後退したり
バロメーターのようなものです

開架、全面開架の素晴らしさは
市民が自由に情報が取り出せる「証」なのです。

最近の受け入れ本に
よりよく生きるために、我慢、怒りをコントロールする本がたくさん入ってきます。

たしかに現状が良くない場合

こちらが解釈を変えて
しばらくやりすごすというのがあります。
たとえば
年収600万の暮らしではなく
200万の暮らしを快適に見るというような・・・。

それでいいのだろうか?と思いますが

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