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2005-2006年,2011年‐現在に至るブログ。

2015年04月


主人公はニートで兄や父親をアテにしている。
アテにできるほどお金がある。
兄は実業家。親切でどこも悪くない人間なのだと思う。

しかしこの兄の存在に
どうしようもない
動かしがたい大きな力を感じる
避けようにも避けられない力の存在として見えてくる

兄は社交界にも忙しい
情報通で、新聞のネタを次から次へと話題にし
相手を飽きさせることがない。

そんな兄も抜けているところがあるのか?
それとも弟(主人公)を信用しているのか
あれこれ新聞のネタを話したあとで
「時にトルストイという人はもう死んだのかね。」
と聞くシーンがある。

情報通の兄といえど、知らない事もあるよね、と思わせる一方で
文間の空気が、なんかおかしい。

ただ「物知りの兄は文学には疎い」ことを言っているのではないんだなと思い、そしてこの本のあとにもさきにもトルストイのことはこれ一度きりであった。

読み終えて調べると
この本を書いた時点でトルストイはまだ存命であった。
主人公はそれを知っている様子。それなら
「存命だよ」と答えてあげればいいものを言わないでいる。
うっすらと漂う失望。

この話の時代背景である日露戦争のとき
トルストイは日本とロシア両国に「戦争するな。内政問題に集中せよ!」とののしっていた。

日本でもその発言が三度新聞に取り上げられている。
明治37年8月「戦争を論じ、日露両国を罵る」同年9月「戦争反対論を秘かにロシア国内に配布」
明治39年「露国の禍根は農民問題、高石特派員に語る」

こういう発言は圧力に苦しめられる。
言論統制が吹き荒れて場合によっては死刑
そこに兄の
「で、トルストイは死んだのかね?」
という、さらりとした問いかけに
とてつもなく大きな、避けがたい力のようなものを感じてしまう。

兄の話すこと
それは新聞の受け売り
今も同じような構造があるように思う。


参考文献
明治ニュース事典

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この作品は日露戦争後の日本を描いた貴重な作品である。


社会主義言論の取り締まりが強固になり
各新聞も国権を恐れ主戦論に転じていった。
そんな中、非戦を訴える平民新聞も発禁となり
不穏な空気が漂っていた。

物語は維新によって栄える裕福な一家に生まれ
その富をあてにし働こうとしない代助を主人公とする。

代助の恋愛模様を描きながら
お金のやりとりばかりが目立つ。


ピアノや舶来もの、芸術品
園遊会やシルクハット・・・
文明開化がいたるところに見え隠れする
何不自由ない暮らしの長井家
代助はその家をさらに強固にするための政略結婚を強いられる

時の社会主義運動、幸徳秋水らの取り締まりも見え隠れし、
日糖事件の不祥事から、
新聞を一面的に見ることの危うさなども見て取れる。

外国に借金してようやく日露戦争に勝ち
その地位をなんとか保とうとしている日本

親父は戦争に出たのを頗る自慢にする。
ややもすると、御前などはまだ戦争をしたことがないから
度胸がすわらなくっていかん、と一概にけなしてしまう。
あたかも度胸が人間至上な能力であるかの如き言草である。
代助はこれを聞かせられるたんびに嫌な心地がする。


だから父親の「働け」いう理屈に
国の為と言われてもなんといわれても
代助はのらりくらりとかわしていく

働かない本当の理由を父に話さず
親父という老太陽のまわりをくるくる行儀よく回っている。

国の借金によって人の生活が圧迫して
目の回るほど働いてる。
神経衰弱になる人がふえ
道徳心も失われている、
つまり人はじっくり考えることができていない。

代助は働かない選択を貫いていた。


そして、ある事件をきっかけに
代助は働くことを考えなければならなくなっていく。

リビアの政権混乱などからイタリアへの難民が問題となっている。(アルジャジーラ、BBC)

難民は就労、差別、教育、などで社会問題化している。
その中にはテロなど暴力へと発展するケースもある。

とくに第三者が紛争に介入した場合、
あとから第三者に怒りの矛先が向くことがある。

ボスニア紛争ではNATOが空爆、
また中東戦争やイスラエルの入植によるパレスチナ難民が大量に発生、
宗教による助け合いを契機にイスラム急進派への賛同が多くなった。
アフガニスタンでもまた米ソの代理戦争の結果、タリバンが生まれた。

難民を受け入れる側では
難民を受け入れがたいと反対運動が生じ
人道上助けるのが今の国際社会のあるべき姿との間でせめぎあいがある。

それらの事案を考えてみても
この悪循環を止めるためにも
第三者による暴力参入はいい結果をもたらさないため
別の解決策が望まれる。

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エジプト(エジプト・アラブ共和国)

ジュムフリヤーット ミスル アルアラビーヤ
アラビア語ではエジプトとは言わず
ミスル(マスル)
「エジプト」はギリシャ語由来。

公用語はアラビア語(観光が資源のため英語も使われているのではないかと思う)
宗教はイスラム教(90% スンニ派) 10%はコプト教(キリスト教系)
収入は出稼ぎによる送金、観光、石油、スエズ運河運行収入

コプト教徒には元国連のガリ事務総長がいる。
先日リビアに出稼ぎ中のコプト教徒が過激派により殺害された。この報復でエジプトはリビアに空爆を行った。
東のシナイ半島も紛争多数。
シナイ半島はイスラエルと接し長年緊張状態。
起伏が激しいシナイ半島は過激派組織の活動が活発化する。
アンサール・ベイト・アルマクディス(ISIL系)など。

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子どもの頃、よく見た小さな春に咲く野花達。
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幼い頃はその名前などは知ることも必要なく、ただただ、そこにある存在だった。
地面に近い子どもは、野花とは自然に見つめたり触れたりする。

大人になるにつれ、足早に道路を歩き草花に目をとめる時間も失われていき、そして花束や名の高き高貴な花を焦がれる。

そうやって過ごして
ふと、春に咲く野花の、我の中に名もなきことを知る。
我の中に名もなきこととは純朴であった時の結晶、子どものころを思い出す。
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今日、アルジャジーラを見たら、日本よりも事細かな詳細があった。

日本での報道は「イランの核開発に歯止めがかかる」というものだが、アルジャジーラでは地域的なこともありより詳しく解説されていた
写真はイラン国内の歓喜の様子であり、車から身を乗り出しピースサインをする男女の姿が映し出されていた。
経済制裁のために石油輸出が半減し市民の経済が縮小していたため、この解除の動きに国内は祝祭ムード。
これに強く反対するのはイスラエルだ。
イスラエルからすれば、イランの資金が潤沢になり防衛力を増すことが脅威であるからだ。
さっそく、ネタニヤフはオバマに抗議し、全米ユダヤ教ロビーはワシントンで抗議を続けている。

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